エアコン選びをしていると、「APF」という聞き慣れない数値を見かけることがあります。
カタログやメーカーサイトには「APF6.5」などと書かれていますが、「結局なにを表しているの?」「数値が高いと何が良いの?」と疑問に感じる方も多いでしょう。
実は、APFはエアコンの“省エネ性能”を比較するうえで非常に重要な指標です。
特に最近は電気代の高騰もあり、APFを理解して選ぶかどうかで、長期的な電気代に差が出ることもあります。
この記事では、エアコン初心者の方でもわかるように、APFの意味や目安、計算方法、畳数により違いはあるのかを解説したいと思います。
エアコンのAPFとは。目安は?

APFとは、「Annual Performance Factor(通年エネルギー消費効率)」の略です。
簡単に言うと、1年間を通してエアコンがどれだけ効率よく冷暖房できるかを表した数値です。
数値が高いほど、少ない電力で効率よく運転できるため、省エネ性能が高いエアコンといえます。
例えば、APF7.0の機種は、APF5.0の機種よりも効率よく運転できる傾向があります。
家庭用エアコンのAPFは、一般的に5〜7程度が多く、以下はおおよその目安です。
| APFの数値 | 省エネ性能 |
|---|---|
| 5前後 | 低い |
| 6前後 | 普通 |
| 7以上 | 高い |
以前は「COP」という指標がよく使われていましたが、COPは特定条件での効率しかわかりません。
一方APFは、実際の年間使用を想定して算出されるため、現在はこちらが主流になっています。
基本的には、APFが高いエアコンほど電気代は安くなりやすいです。
これは、少ない電力で効率よく冷暖房できるためです。
例えば、同じ6畳用エアコンでも、APFが高い上位モデルは、長期間使用した際の年間消費電力量が少なくなる傾向があります。
毎日長時間使う家庭では、数年単位で見ると電気代の差が大きくなることもあります。
ただし、実際の電気代は、住宅性能や地域、使い方によって変わります。
断熱性能が低い家や、頻繁にオンオフを繰り返す使い方では、省エネ効果が十分に発揮されない場合もあります。
スタンダードモデルはAPFが低めで、上位グレードになるほど高くなる傾向があります。
ただし、APFを高めるために高性能な部品や機能を搭載しているため、本体価格は高くなりやすいです。
そのため、「使用頻度」と「購入価格」のバランスを考えて選ぶことが大切です。
APFの計算方法(JIS C 9612:2013)

APF=年間に必要な冷暖房能力÷期間消費電力量
年間に必要な冷暖房能力は、固定値として決められています。
| 冷房能力(kW) | 2.2 | 2.5 | 2.8 | 3.6 | 4.0 | 5.6 | 6.3 | 7.1 | 8.0 | 9.0 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 冷暖房能力 (kWh) | 4161 | 4729 | 5296 | 6809 | 7566 | 10592 | 11916 | 13430 | 15132 | 17023 |
期間消費電力量は、以下のような条件で求めます。
| 冷房能力(kW) | 〜2.2 | 2.5 | 2.8 | 〜3.6 | 〜4.5 | 5.0 | 5.6 | 6.3 | 7.1 | 8.0 | 9.0 | 10.0 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 畳数 | 6 | 8 | 10 | 12 | 14 | 16 | 18 | 20 | 23 | 26 | 29 | 32 |
グレードや畳数の違いよりAPFは変わるのか

エアコンのグレードや対応する畳数によってAPFにどのような傾向があるのか、ダイキンと三菱電機のエアコンのAPFを一覧にしました。
ダイキンエアコンのAPF
| 畳数 | Rシリーズ | SXシリーズ | Aシリーズ | Fシリーズ | Cシリーズ | Eシリーズ | Dシリーズ スゴ暖 | Hシリーズ スゴ暖 | KXシリーズ スゴ暖 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 6畳 | 6.9 | 5.9 | 6.9 | 6.2 | 5.8 | 5.8 | – | 6.2 | 6.2 |
| 8畳 | 6.8 | 5.9 | 6.8 | 5.9 | 5.8 | 5.8 | 6.7 | 6.2 | 6.2 |
| 10畳 | 6.7 | 5.7 | 6.7 | 5.8 | 5.7 | 5.8 | 6.8 | 6.0 | 5.9 |
| 12畳 | 6.6 | 5.0 | 6.6 | 5.3 | 4.9 | 4.9 | – | – | – |
| 14畳 | 100V:6.6 200V:7.3 | 5.0 | 7.3 | 5.2 | 4.9 | 4.9 | 7.1 | 5.4 | – |
| 18畳 | 6.6 | 5.1 | 6.6 | 5.1 | 5.0 | 5.0 | 6.4 | 5.2 | – |
| 20畳 | 6.2 | 5.0 | 6.2 | 5.1 | – | – | 6.2 | – | – |
| 23畳 | 5.9 | 4.5 | 5.9 | 4.6 | – | – | 5.7 | – | – |
| 26畳 | 5.7 | – | 5.7 | – | – | – | 5.5 | – | – |
| 29畳 | 5.2 | – | 5.2 | – | – | – | – | – | – |
三菱電機のエアコンのAPF
| 畳数 | FZシリーズ | Zシリーズ | Xシリーズ | Rシリーズ | Sシリーズ | GEシリーズ | FDシリーズ ズバ暖 | ZDシリーズ ズバ暖 | XDシリーズ ズバ暖 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 6畳 | – | 6.9 | 6.7 | 5.8 | 5.8 | 5.8 | – | – | 6.6 |
| 8畳 | – | 6.8 | 6.7 | 5.8 | 5.8 | 5.8 | – | 6.8 | 6.5 |
| 10畳 | – | 6.9 | 6.7 | 5.8 | 5.8 | 5.8 | – | 6.6 | 6.3 |
| 12畳 | – | 6.6 | 6.6 | 4.9 | 4.9 | 4.9 | – | – | 5.6 |
| 14畳 | 7.4 | 6.6 | 6.6 | 4.9 | 4.9 | 4.9 | 6.5 | 6.2 | 5.4 |
| 18畳 | 6.6 | 6.3 | 6.3 | 5.0 | 5.0 | 5.0 | 6.4 | 5.9 | 5.1 |
| 20畳 | 6.5 | 6.1 | 6.1 | 5.1 | – | – | 6.0 | 5.7 | 5.1 |
| 23畳 | 6.1 | 5.9 | 5.9 | 4.7 | – | – | 5.8 | 5.5 | – |
| 26畳 | 5.8 | 5.7 | – | – | – | – | 5.5 | 5.3 | – |
| 29畳 | 5.6 | 5.5 | – | – | – | – | – | – | – |
能力が高いほどAPFは低い傾向だね。
【まとめ】APFの高い機種は省エネ
APFは、エアコンの省エネ性能を示す重要な指標です。
数値が高いほど効率よく運転でき、長期的な電気代を抑えやすくなります。
10年以上前の機種と比べると、最近のエアコンはAPFが大幅に向上しています。
買い替えによって電気代が下がるケースも多いです。
APFとよく混同されるのが、「省エネ基準達成率」です。
省エネ基準達成率は、国が定めた省エネ基準をどれだけ上回っているかを示しています。
例えば、省エネ基準達成率100%は「基準をクリアしている」という意味で、120%なら基準を20%上回っていることになります。
エアコンを比較する際は、APFだけでなく、省エネ基準達成率や年間消費電力量も合わせて確認すると、より実際の省エネ性能をイメージしやすくなります。
APFだけでなく、適切な冷暖房能力や電源の種類、機能などもエアコン選びでは重要です。
特に寒冷地では、低温時の暖房性能も確認しましょう。
「なんとなく安いから」で選ぶのではなく、性能を理解して選ぶことで、快適さと省エネの両立につながります。
カタログの数値だけでなく、実際の使用環境を考えて選ぶことが失敗しないコツです。
