電気の説明を読んでいると、「対地電圧」という聞き慣れない言葉が出てきて戸惑ったことはありませんか。
100Vや200Vは知っていても、「地面に対する電圧」と言われるとイメージしにくいものです。
しかし、対地電圧は感電事故の防止や電気設備の安全基準を理解するうえで、とても重要な考え方です。
この記事では、電気の知識がほとんどない方でも理解できるように、対地電圧の意味から具体例、感電との関係までをやさしく解説します。
対地電圧とは
対地電圧とは、電気設備の一部と地面との間にかかる電圧のことです。
人が地面に立った状態で電気設備に触れると、体は地面と電気的につながります。
このとき、設備と地面の間に高い電圧があると、体に電流が流れやすくなり、感電事故につながります。
対地電圧を知ることで、「もし人が触れた場合に、どれくらいの電圧が体にかかるか」の目安を知ることができます。
対地電圧は安全性と深く関係しており、電気設備の設計や法律でも重要視されています
つまり、対地電圧は、感電の危険性を判断する基準です。
電気設備では対地電圧を一定以下に抑えることが求められ、安全基準や接地(アース)の考え方も、すべて対地電圧を基準にしています。
私たちが普段目にする100Vや200Vは、電線同士の電圧であることが多く、必ずしも地面との電圧ではありません。
一般に「電圧」と言う場合、電線同士の電圧を指すことが多いです。
一方、対地電圧は「地面を基準にした電圧」です。
たとえば、200Vの回路でも、対地電圧は100Vになる場合があります。
この違いを理解していないと、「電圧は低いのに感電した」「思ったより危険だった」という誤解が生じます。
対地電圧は、安全面を考えるための電圧、と覚えると分かりやすいでしょう。
一般住宅の対地電圧と基準
家庭用電源を例にすると理解しやすくなります。
住宅の屋内電路の対地電圧はどのくらいあるのでしょうか。
| 配電方式 | 電線同士の電圧 | 対地電圧 |
|---|---|---|
| 単相2線式100V | 100V | 100V |
| 単相3線式100/200V | 100/200V | 100V |
単相2線式100Vの場合、1本が電圧線でもう1本が中性線です。
なので、電圧線と地面との間にかかる電圧も100V。
単相3線式100/200Vの場合、2本が電圧線で中央に中性線です
それぞれの電圧線と中性線の間にかかる電圧は100V、電圧線同士の電圧は200V。
電圧線と地面との間にかかる電圧、つまり対地電圧は100V。
このように、200V回路であっても、対地電圧は100Vになることがあります。
そのため、電圧の数字だけで危険性を判断するのではなく、対地電圧を見ることが大切です。
法律や技術基準では「対地電圧〇〇V以下」といった形で、安全の目安が定められています。
対地電圧を知ることは、自分の身を守る第一歩と言えます。
ちなみに、
住宅屋内の対地電圧は、150V以下と決まっています。
【電路の対地電圧の制限】(省令第15条、第56条第1項、第59条、第63条第1項、第64条)
電気設備の技術基準の解釈(一部抜粋)
第143条 住宅の屋内電路(電気機械器具内の電路を除く。以下この項において同じ。)の対地電圧は、150V以下であること。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
【まとめ】対地電圧は、感電の危険性を判断する基準
対地電圧が高くなるほど感電や事故のリスクが増えます。
対地電圧による危険を減らす代表的な方法が接地(アース)です。
アースを取ることで、異常時の電気を地面に逃がし、機器の金属部分に高い電圧がかかるのを防ぎます。
家庭用電化製品でアース線が付いているのも、このためです。
対地電圧を下げる対策は、感電防止の基本中の基本と言えます。
対地電圧が100Vでも、条件次第で感電して負傷する危険がありますので充分注意しましょう。